『大きな木』(原題:the giving tree ) シェル・シルヴァスタイン著 篠崎書林 私が好きな本の中の一冊です。 初めて呼んだのは10代の頃でしたが、最後のページにたどりつく頃には、温かい、 というよりは寂しい気持ちになり、涙が溢れたのを思い出します。 今読むと、また違う感じ方をしたのですが、この本には答えはなく、読者に解釈を 任せているのかもしれません。 以下、えほんナビから抜粋させていただきます。 -------------------------------------------------------------- 昔、りんごの木があって、かわいいぼうやと仲良しでした。ぼうやは木と遊び、 木が大好きで、だから木もとてもうれしかったのです。 時は流れ、ちびっこだったぼうやは成長して大人になっていき、木に会いに来なく なります。ある日、大きくなったぼうやが木のところへやってきます。木は昔のように 遊んでおいきと言いますが、ぼうやは言います。 「かいものが してみたい。だから おかねが ほしいんだ。 おこづかいを くれるかい。」 木は困りましたが、りんごの実をすべて与えます。 大人になったぼうやは家を欲しがり、木はその枝を与えます。 年老いたぼうやは船を欲しがり、木はついにその幹を与え、切り株になってしまいます・・・ 大好きなちびっこのために、与え続けるりんごの木。実をすべて与え、枝をすべて与え、 そして幹さえも与えてしまいました。 「きは それで うれしかった・・・ だけどそれは ほんとかな。」 愛は与えること? 与えることとは何なのでしょう? 読むたびに新鮮な感動があり、一家に一冊買って損のない作品です。 この作品には、さまざまな解釈があります。 木は、本当に幸せだったのでしょうか? 木がちびっこにしてあげたことは、ぼうやの為になったのでしょうか? 挿絵は白黒の線画です。 子どもへの読み聞かせは、お話の内容を理解できるようになってからの方が よいでしょう。成長するにつれて作品から受ける感動も変わってくると思います。 そして大人にもぜひ読んでいただきたい作品です。 --------------------------------------------------------------- 私はいつも、「きはそれでうれしかった・・・だけどそれはほんとかな」 に たどりつく頃には切ない気持ちになります。 無償の愛はこの世にあるものだと思います。与えることでぼうやが幸せなら木も 嬉しかった、という解釈もできますが、果たして。。。それだけなのかな?と 私は思ってしまいます。求めれば何でもしてもらえたぼうやにとっても 結果的に、木を思いやれるこころの成長はあったのかな、とか、木も本当は 寂しい気持ちを隠していたのではないかな、とか。 読むたびに、いろいろな感じ方をする1冊です。
by milprimavera
| 2009-12-15 01:56
| books
|
最新の記事
カテゴリ
以前の記事
2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 01月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 Link
|
ファン申請 |
||